阿部 明士 日本イヌワシ研究会会長
イヌワシは神秘な鳥として人々に知られることなく生きてきた。日本イヌワシ研究会が日本全国で10数年に亘り調査したところ、その生息数は少なく、種の存亡の危機すらあることがわかった。この映画からは、イヌワシが豊かな自然の中でいつまでも生き長らえたいと私達に力強く訴える声が聞こえてくる。
イヌワシが大空にいつまでも舞い続ける大自然があることを願わずにいられない、素晴らしい映画です。
岩崎 雅典 製作・監督・脚本
イヌワシは手強かった。気がついたら7年かかっていた。ドラマと違い、シナリオがあってないようなドキュメンタリーでは応々にして撮影が長期に及ぶことがある。ましてや相手が“動物”となれば。予定調和のない世界。それがドキュメンタリーの面白さでもある。イヌワシをるもの(観察者)と撮るもの(撮影者)との熾烈な葛藤がこの映画を生んだ。
それでもイヌワシの全容はまだ掴みきれない。
上條 恒彦 語り
ぼくは樹が好きで数年まえ八ヶ岳に移り住んだ。ほとんどがカラマツかアカマツだが、雑木もけっこう豊富で、鹿、うさぎ、タヌキ、きつね、イタチ、リス等の棲み家があり、当然鳥も多い。目が弱いので、今まであまり鳥に注意は向かなかったが『イヌワシ』からは、望遠レンズを買わなくてはと思いはじめている。