・シマリスの一人称語りで本編も。
北海道の中央、大雪山一帯を棲み家とするシマリスの短い一夏の話。
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☆大雪山連峰
・旭岳、トムラウシ岳など標高2000mを超える峰々が連なる大雪山。「神の住む山」といわれてきた。 |
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☆エゾシマリス・自己紹介(頭胴長12〜15cm、尾長11〜12cm)
・かつて北海道のあちこちに住んでいたエゾシマリス。だが畑の豆を食べるので“豆ドロボー”と呼ばれ追い払われ、いまでは大雪山を中心とした山岳地帯に住むようになった。 |
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☆夏の登山客とお花畑
・8月盛夏。登山客は涼を求め、日本で一番広い山岳国立公園にやってくる。お目当ての一つは一斉に開花する高山植物167種類もある。チングルマ、エゾコザクラ、ヨツバシオガマ、イワギキョウ、コマクサなど。 |
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☆シマリスの暮らしとナキウサギ ・シマリスの食べ物は草花や木の実。キバナシャクナゲの花の蜜を吸うシマリス。近くにはナキウサギ。共に高山で暮らす。ナキウサギは氷河期の生き残り。ハイマツの実、マツボックリにチャレンジするシマリス。 |
☆天敵はワシやタカ、そしてキタキツネ
・上空に出現したチョウゲンボウを警戒する仲間たち。登山客の集まるキャンプ場近くにキタキツネも現れる。だが、他にはこれといった天敵もおらずおおむね平和で安全。残雪でミミズなどのエサを探す小さな野鳥カヤクグリ。高山のチョウ、コヒオドシ。羽のないバッタなど夏の間だけの生きものたちが姿をみせる。 |
☆シマリスの特技
・シマリスが大好物のムカゴトラノオ(オオバコの仲間)を見つけ、むさぼるように食べる。みるみるふくれる?。シマリスのほお袋は食べものを詰め込むためのもの。短い夏、食べものを貯蔵するのに忙しい。 |
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☆秋の食べもの
・9月初旬。短い夏が過ぎ山は早くも色づき秋の気配。好物のガンコウラン、コケモモ、クロマメノキの実が稔る。せっせと冬眠穴に運ぶシマリス。ナキウサギも冬支度。キタキツネは山を降りる。 |
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☆エピローグ
・ 深まる秋。走るエゾシカ。冬眠に備えヒグマはエサ探し。ケルンの上にチョコンと立つエゾシマリス。何を思うのか遠くを視つめている。山頂はすでに初雪で覆われている。 |