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1997年7月 - “モズ”というメスのニホンザルが死んだ。二十六年の生涯だった。モズは生まれながらにして四肢に障害をもったニホンザルだった。モズが生まれたのは1971年。この頃、日本各地の野猿公園でも手足の障害をもつサルが次々に誕生し、マスコミで話題になった。モズの記録をはじめたのは1978年、7歳の春はじめて子供を産んだときからである。手足の不自由なモズが果たして充分な子育てができるのだろうか。公苑の人々の不安とともにカメラを廻しはじめた。長野県地獄谷野猿公苑にやってくるモズ家族とその群れの記録は、以来19年の長さにわたった。この映画は
“モズ” という生まれながらにハンディを負った一頭のメスザルの生涯の記録である。語られることは、ニホンザルの生態の記録であり、家族の絆であり、生き物と人間の有様である。が、しかし、それにもまして私たちは、
“モズ” というサルがいたことが忘れてはならないと思うからである。 |
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